ウルム造形大学 Hochschule für gestaltung ulm(1953-1968)


戦時中の抵抗運動「白ばら」グループの一員で1943年にナチスにより処刑されたハンスとゾフィ・ショル兄妹を記念して設立されたショル兄妹財団が1953年、南ドイツのミュンヘンとシュツットガルトの中間にあるウルムに設立した造形大学。

プロダクト・デザイン、建築、ヴィジュアル・コミュニケーション、インフォメーションの4つの専攻学科で構成され、後に映画制作部門も加わりました。「スプーンから都市計画まで」というデッサウ・バウハウスに学んだ初代学長マックス・ビルの言葉の通り、日常生活からあらゆる社会活動におよんで使用される道具や機械、建築などの対象物、および視覚的、言語的なインフォメーション媒体までを含んでおり、特に設立初期の基礎教程は、バウハウスのカリキュラムの影響が強いものでした。

全学生150人を上限とし、学生のほぼ半数はヨーロッパ近隣諸国、アメリカ、日本、インド、南米、アフリカなど西ドイツ以外から来ており、49ヶ国におよぶ国際性が特質的でした。ウルムの思想が、建築家や工業デザイナー、写真家、映画制作者のみならず、画家や音楽家や詩人といった形で国際的な広がりをもち、今日なお、ウルムで展開された考え方やデザインのいくつかは、長く生き続けています。また、カリキュラムは多くの国でデザイン教育の基礎となっています。

そして、ウィルクハーン社とのコラボレーションがそうであったように、ローゼンタールのホテル用食器TC100やブラウン社の最初のハイ・ファイシステム、コダックのスライドプロジェクター・カローセル、ドイツ・ルフトハンザ航空のコーポレート・アイデンティティといった画期的で優れたデザインを多くの企業との間に生み出し、デザインを単なる造形や理論ではなく、科学やテクノロジーとの密接な関係をもって、生産過程の中で実践していった点で、戦後のインダストリアルデザインおよび、コミュニケーションデザインのモデルを確立したパイオニア的存在です。



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